グアムとシンガポールを結ぶ新たな100ギガビット回線は、同地域の研究教育ネットワーク(REN)ファブリックに重要な新経路を提供し、より強靭なRENの構築に貢献します。
東京、ブリスベン – 2021年12月10日 – この度設立されたグアム・シンガポール・コネクティビティ・コンソーシアムは本日、アジア太平洋オセアニア地域におけるデータ集約型科学を支援するための、新たな高速接続について発表しました。アメリカのInternet2とインディアナ大学国際ネットワーク(IN@IU)、オーストラリア学術・研究ネットワーク(AARNet)、およびアジア太平洋地域における主要研究教育ネットワーク(ARENA-PAC)で構成されている同コンソーシアムは、15年契約でグアムとシンガポールを結ぶ毎秒100ギガビット/秒(Gbps)の回線を獲得しました。シンガポールのSingARENとハワイ大学は、それぞれが運営する相互接続点での接続に貢献しています。
今回の接続は、研究・教育(R&E)向けの太平洋横断ネットワークトポロジーを確保する上で大きな節目となり、アジア、北アメリカ、およびオセアニアという3大陸の研究・教育コミュニティをつなぐネットワークファブリックに欠かせない容量と耐障害性をもたらします。
この新しい回線は、シンガポールとグアムを直接結ぶ100 Gbpsの容量を追加します。また、日本とシンガポール、オーストラリアとシンガポール、アメリカと日本・オーストラリア・シンガポールを結ぶ代替パスを提供することで、同地域の耐障害性を高めます。
また、同コンソーシアムのメンバーは、アジア太平洋オセアニアネットワーク(APOnet)として知られる、北アメリカ、東アジア、東南アジア、およびオセアニアの11のグローバルな研究・教育ネットワークで構成される大規模なコラボレーションにも参加しています。
今回の新しい100Gbps回線は、APOnetに貢献するとともに、柔軟性と信頼性を提供し、データ転送速度を向上させ、エンドツーエンドの接続性分析をサポートし、新たなネットワーク技術を駆使して質の高いサービスを確実に進展させる大洋横断高速ネットワークサービスを提供する同ネットワークの取り組みにも貢献します。
コンソーシアムメンバーからのコメント
「当学のチームが毎日仕事に取り掛かるときの目標は至ってシンプルで、世界中の共同研究のための高速データ共有を可能にすることです。グアムとシンガポールを結ぶこの新しい回線に参加することで、まさにその目標を実現できることを誇りに思います。このコラボレーションが、科学、研究、そして発見全般のあらゆる分野にもたらす可能性に胸を躍らせています。この新しい回線のおかげで、世界は少し小さくなりましたが、恩恵はそれだけにとどまらず、計り知れないものです。」Jennifer Schopf博士 – インディアナ大学 国際ネットワーク担当ディレクター
「NRENパートナーと協力して、オーストラリアや近隣諸国が必要とする国際的な接続性を提供し、人生が一変するような研究や教育のイノベーションを支援することは、私たちの活動の中心となるものです」と述べています。「この新しいコラボレーションに参加して、当地域の接続の耐障害性をさらに強化できることを大変嬉しく思います。」Steve Maddocks – AARNetの国際担当ディレクター
「グアム・シンガポール間の回線設置を讃えるべき理由は3つあります。1つ目は、この回線は太平洋の東と西を結ぶ新たな架け橋となるからです。2つ目は、この回線は太平洋地域における新しいコンソーシアムとして、これら4つの事業体が協力して実現した初めてのコラボレーションだからです。3つ目は、この回線により、既存のAPRingコラボレーションがAPOnetへと拡張され、アジア太平洋地域におけるパートナーシップが倍増するからです。」村井純 – ARENA-PAC 共同ディレクター
「ビッグサイエンスを加速させるためには、グローバルなコラボレーションがますます重要になってきており、グアム・シンガポール・コネクティビティ・コンソーシアムのような新しい取り組みは、まさにそのことを反映しています。私たちの共同作業により、研究・教育ネットワークの大陸横断コミュニティとして、アジア、北アメリカ、オセアニアの研究者とその仲間たちをサポートするために、堅牢で信頼性の高い接続を共同で提供することができます。」Rob Vietzke – Internet2 ネットワークサービス担当バイスプレジデント
「この新しいグアム・シンガポール間の容量が稼働すれば、グアムのGOREX相互接続点を起点に、耐障害性を備えつつ、あらゆる方向に直接接続できるようになります」と述べています。「APONetがサポートする接続性は、地域全体で協調的な取り組みが増えるにつれて、世界クラスの研究・教育チームの堅牢かつリアルタイムな作業を支援する重要な回線となります。」Garret T. Yoshimi – ハワイ大学 情報技術担当バイスプレジデント兼CIO
「グアム・シンガポール間の回線は、研究・教育コミュニティに利益をもたらす大陸横断ネットワークの耐障害性をさらに高めるものであり、SingARENがこの協調的な取り組みに貢献できることを嬉しく思います」Lawrence W. C. Wong – SingAREN 社長
グアム・シンガポール・コネクティビティ・コンソーシアムについて
グアム・シンガポール・コネクティビティ・コンソーシアムは、オーストラリア学術・研究ネットワーク(AARNet)、アジア太平洋地域における主要研究教育ネットワーク(ARENA-PAC)、Internet2、およびインディアナ大学国際ネットワーク(IN@IU)間のパートナーシップです。同コンソーシアムは、日本とシンガポール、オーストラリアとシンガポール、アメリカと日本・オーストラリア・シンガポールの間の研究・教育ネットワークの容量と耐障害性をサポートしています。
オーストラリア学術・研究ネットワーク(AARNet)は、高度な通信サービスに加えて、サイバーセキュリティ、データ、コラボレーションなどの幅広いサービスを提供しており、オーストラリアの研究・教育分野に固有で進化していくニーズに応えるために設計されています。AARNetの利用者は200万人以上にのぼり、大学、研究機関、学校、職業訓練機関、および文化機関の関係者が教育、学習、研究のためにAARNetのネットワークとサービスを利用しています。
ARENA-PACは、アジア太平洋地域でのインターネットの普及を目的に敷設された国際海底ケーブルネットワークで、研究・教育のための広帯域バックボーンネットワークです。ARENA-PACは、APIDT(Asia Pacific Internet Development Trust)のプロジェクトであり、APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)の支援のもと、WIDE Projectによって運用されています。
Internet2は、会員制の非営利先端技術コミュニティで、1996年にアメリカの主要な高等教育機関によって設立されました。Internet2は、各会員の強みを活かし、統合し、増強する多様な技術ソリューションのポートフォリオを提供しており、会員の教育、研究、およびコミュニティサービスに関する使命を支援しています。Internet2の中核となるインフラには、高度でカスタマイズされた先進サービスを提供するために構築された、アメリカ最大かつ最速の研究・教育ネットワークが含まれています。この先進サービスのアクセスとセキュリティは、コミュニティが開発したID連携トラストフレームワークによって確保されています。
インディアナ大学国際ネットワーク(IN@IU)は、世界のあらゆる場所で研究と教育を推進する科学的コラボレーションを促進するネットワーク接続を提供しています。IN@IUは、ニッチなプロジェクトから大規模な研究活動に至るまで、科学外交を推進するためのツールとして高性能なネットワークを使用しています。
シンガポール先端研究教育ネットワーク(SingAREN)は、シンガポールの国立研究・教育ネットワークです。SingARENは、国内外の接続を提供し、シンガポールの研究・教育コミュニティに寄与している唯一のネットワークです。SingARENのメンバーは、高等教育機関、研究機関、政府、およびネットワーク業界の関係者で構成されています。SingARENは、科学研究に向けた大規模なデータセットの国際的な高速転送を促進し、耐障害性の高い国際的なリンクと高速ファイバーネットワークを通じて、先進的なネットワークの技術デモンストレーションを実現します。SingAREN Open Exchange(SOE)は、シンガポールの研究・教育コミュニティと、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカといった他国の研究・教育ネットワーク(RENs)を相互に接続しています。SingARENは、Eduroam、Singapore Access Federation(SGAF)、データベースミラーリングサービスなどの付加価値サービスをシンガポールの研究・教育コミュニティに提供しています。
ハワイ大学(UH)は、1907年に設立されたハワイの州立高等教育機関で、ハワイ諸島に分布する10のキャンパスと数十の研究施設、およびコミュニティベースの学習センターで構成されています。UHは、現地や海外のパートナーと協力して、太平洋地域の大半の主要ネットワーク運用団体と相互接続する大容量の研究・教育ネットワークをサポートしています。
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